四国お遍路八十八ヶ所巡礼とは
言わずとしれた弘法大師「空海」が四国に切り開いたお寺八十八ヶ所の巡礼です。
通常は1番から順にお寺を回る順打ち(じゅんうち ※お寺を回ることを「打つ」と言います)と、逆に88番から回る逆打ち(ぎゃくうち/さかうち)があります。
順打ちの場合は、香川県からスタートして、高知県、愛媛県、徳島県の順に回ります。逆打ちの場合は徳島県からのスタートになります。
また、逆打ちで回るとご利益が倍になると言われます。
逆に回る理由は弘法大師が順番にお寺を回るため、逆に回れば確実に出会うことができるというのが理由です。また、4年に一度のうるう年に回るとご利益が3倍になると言われます。(倍ってなんだ?)
逆打ちの由来はここでは詳しく話しませんが衛門三郎と弘法大師の話で調べてみてください。石手寺(51番)の名前の由来にもなっていて四国お遍路の有名なストーリーです。
-画像 弘法大師と衛門三郎像-
-Google マップ 四国八十八ヶ所 埋め込み-
■はじめに
四国八十八ヶ所のお寺は逃げも隠れもしません。何日でも何年かけても順番も適当でも構わないと言われています。「また来ればいいや」ぐらいの感覚を持って、慌てて事故など起こさないよう余裕を持って行動してください。
-画像。一生懸命も大事だが余裕がないと世界は狭くなる 高野山真言宗-
記事の目次
移動手段、装備
移動手段
大型バイク(ホンダ NC700X)
カーナビ
お寺の場所は事前にすべてスマホのGPSナビにインプットしました。使用アプリはドコモ地図ナビです。これがなかったら迷いまくりでとても回れませんね。
地図帳
バイク乗りのバイブル=ツーリングマップルを持っていきまいした。マップルの地図情報は親切でお寺と番号まで記載されています。空いた時間にサクッと観光情報を探したりと役に立ちました。
天気
雨は3日程降りました。降ったり止んだり。雨は確実に降ると思ったほうが良いです。なので雨対策は万全にしておいたほうがいいです。
食事
朝は、前日に買っておいたものor宿
昼は、適当。
夜は、pm5:00以降は時間が空きますので近くに良さそうなお店があれば食べに行ってました。今はスマホで色々調べられるので便利ですね。
-画像 バイクのカーナビアップ-
-画像 讃岐うどん山下-
お寺を回った日数と順番
9日間で88ヶ所+高野山を回った全行程と順番
- 初日
神奈川自宅出発 → 1,2,3,4,5,6,7,8,9 - 二日目
10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21 - 三日目
22,23,27,26,24,25 - 四日目
28,29,30,31,32,33,34,35,36 - 五日目
37,38,39,40,41,42,43 - 六日目
45,44,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,62,61,63,64 - 七日目
60,65,66,67,(68,69),70,71,72,73,74,75,76,77,78,79 - 八日目
80,81,82,83,84,85,86,87,88 - 九日目
高野山奥の院 → 神奈川自宅
総走行距離
総距離=3056km(四国ー神奈川の往復を含む)
実際のお遍路コースは徒歩で1200km、クルマやバイクで1400kmぐらいになります。
実際はこの表の通りで1番から完全に順番通りに回ってません。一部移動効率化のために逆転しているところがあります。
-画像 自撮り-
-画像 自分の足で本堂へ!-
お遍路にかかる費用イメージ
総費用
- 納経料(御朱印):
500円×88ヶ所 + 2ヶ所=45000円 - 掛け軸:
20000円 - 宿代:
約8000円×8日=64000円 - ガソリン代(神奈川-四国ー神奈川の往復):
3056km/30km(1L)*130円=約14000円 - 高速代:
約12000円×往復=24000円 - 飲食代:
朝昼晩 3000円×9日=27000円 - トラブル対応(タイヤ交換)費用:
30000円 - 諸経費:
20000円
総費用
総費用=244,000円(神奈川の往復を含む)
実際のお遍路コースは徒歩で1200km、クルマやバイクで1400kmぐらいになります。
バイクで短期で巡ってもだいたいこのぐらいかかりました。
出発場所や巡礼スタイルによっても色々変わると思いますので、こちらを参考にして計算ください。下げようと思ったらもっと下げられると思います。時間と費用の天秤でしょうか。
-画像 お遍路宿の一例-
バイクで回るメリット、デメリット
メリット
機動性が高い、燃費が良い、道幅が狭くても楽、コスパが良い(駐車場など)、、
デメリット
格好がライダーそのもの、掛け軸の出し入れと保管、置きっぱなしの荷物が不安、車中泊できない、雨が降ると大変、、、
などが挙げられます。
個人的には、各お寺は全体的にやや大きめのクルマも受け入れられる体制が整っていますのでクルマで行けるならクルマのほうが安心かなと思いました。ただ、この日程でクルマの場合は厳しいかもしれません。あと無料が多い駐輪場より遥かに高く駐車場代が掛かります。
僕はバイクが好きなので絶対にバイクと一緒に回りたいという強い思いがありバイクを選びました。
自転車が好きなら自転車でもいいかなと思います。
お遍路を回る際に弘法大師とともに巡礼するという意味で同行二人(どうぎょうににん)という言い方をしますが。僕にとってはそれがバイクでした。
-画像 観自在寺 -
-画像 志渡寺-
宿の場所決めのポイント
初めてでどうなるか不安だったので期間中の予定ルートに関する宿は全部抑えました。
都市部はビジネスホテル、遍路宿も数回泊まりました。
いま思うと遍路宿の情報をもっと調べておけば良かったな思いました。
場所決めは、ある程度は、この日はココまで回りたいと決めていきましたが、天候や道路状況によっても変わるので、はっきり行って工程は全然読めません。その日計画してたお寺より先に進むこともあれば、逆に目標までたどり着けない場合もあります。
僕の場合は独自に宿から大体円形で回るような方法を考えて宿を確保しました。
この方法ですが、大体一日の最後のお寺を決めておき、単純にその日の後半のルートを宿を中心にお寺を放物線を描くような感じでお寺を回る方法です。
この場合予定通りでも、先に進んでも、遅れても宿まで一定の距離を走る必要は出てきますが、だいたいどこのお寺からでも一定の距離を走るので安定した工程を組むことができます。
-画像 国民宿舎土佐-
交通の難所
ほぼだいたい舗装道路なので大丈夫ですが、お寺付近に道が細いところ、悪路が結構あります。
が、普段バイクに乗ってるならあまり気にすることは無く、原付きからスーパースポーツまで全然問題無いでしょう。
個人的には焼山寺(12番)への峠越えと横峰寺(60番)への往復が大変でした。
ちなみに横峰寺に行くルートは有料でした。
-画像 焼山寺(12番)へ向かう細い峠道 徒歩の方は山越えのルート。-
-画像 バイクで巡礼中の方たち、スーパーカブはよく見ました-
トラブル事例
高知県でリアタイヤをパンクをしました。
走ってる途中で気づき、少しづつ空気が抜けていく状態だったので宿に泊まった朝イチにロードサービスで空気を多めに補充してもらいました。
ロードサービスの方も急いでショップに行けば問題ないだろうとのことで、当日の朝イチで購入したレッドバロン系列の高知の店舗に持ち込みました。
ところがシンプルにパンク修理で終わるかなと思ったら、裂け目の状態が悪かったようでパンク修理はできないと言われ新品と交換となりました。たまたまタイヤが置いてあったので良かったのですが、痛い出費となりました。
幸いなことにツーリングを続行できるトラブルだったので結果的には良かったかなと思ってます。(南無大師遍照金剛)
-画像 パンク-
ロープウェイ、ケーブルカーを使うお寺
ロープウェイ:太龍寺(21番)、雲辺寺(66番)、
ケーブルカー:八栗寺(85番)
この3つのお寺は、ロープウェイ、ケーブルカーを使ったほうが絶対良いです。
しっかりとこの3つは乗り場の駐車場を登録しておきましょう。
徒歩でのお遍路の方は山登りをされてるかたも多いのですが、ライダーはそんなことは考えずに便利な方法を取ったほうが容易と思います。
-画像 雲辺寺ロープウェイ-
御朱印場が空いている時間帯
ポイント
am7:00~pm5:00(年中無休)
毎朝am7:00前にはお寺に並ぶようにしていました。なので次のお寺まで距離があるときは超早起きです(笑)
後はひたすらpm5:00まで次のお寺を目指します。
-画像 白装束お遍路さん-
掛け軸のススメ
バイク旅で掛け軸大丈夫?って思うかもしれませんが自分の場合はなんとかなりました。雨に2回遭遇しましたがなんとか袋に入れたりしながら無事でした。
一般的な朱印帳でもいいと思いますが、進捗や達成感をより味わうなら掛け軸がおすすめです。最後は、キレイに正装できます。
費用は掛け軸の原紙で約2万円ほどしました。高いです。
また、納経料(御朱印代)が御朱印帳の場合1回300円に対し掛け軸は500円かかります。
それが八十八ヶ所で 500円×88=44000円です。
しかし、結構費用が掛かりますが、見栄えが凄く良いので予算に余裕があれば掛け軸をオススメします。
コインを88枚全部500円持ち続けると大変なので、ところどころで1万円を崩しました。各お寺さんそういう両替にも心地よく対応してくれました。
掛け軸にしたことは結果的に大満足でした。
自宅で唯一の家宝と呼べるものかもしれません。
-画像 掛け軸-
-画像 荷物と掛け軸の保管-
巡礼中の楽しみ
鐘をつくことです。
鐘をつくことが可能なお寺では確実に「ゴーン」と鳴らしてました。
この音と響きが良いんですよね。心に響き渡るというか、、、、
-動画 鳥の鳴き声と釣り鐘の音がすんごく良い-
-画像 足摺岬とジョン万次郎像-
お礼参り
この掛軸ですが、実際は90ヶ所の枠があり本来は八十八箇所分で良いはずですが、2枠多めに朱印が押せるようになってます。なんでこの予備枠を設けているかというと「お礼参り」用にとってあるんです。
お礼参りとは四国お遍路八十八ヶ所すべて回って結願した際に、「無事に結願できました。ありがとうございました。」の意味を込めてお遍路に馴染みの深いお寺へ感謝の報告に行くことです。
お礼参りは普通は88番から1番に戻ったり、高野山奥の院(弘法大師の霊廟)に行ったりするのですが、別にルールが決まってるわけではなくどこの朱印を押しても良いそうです。
ということで、自宅への帰りにフェリーで徳島から和歌山に渡り高野山に参拝してから帰宅いたしました。
もう一枠のスペースには、地元の「川崎大師 平間寺」の御朱印をいただきました。
-画像 高野山奥の院-
-画像 掛け軸 お礼参りとして高野山(奥の院)と川崎大師の御朱印をいただき完成-
般若心経を覚えよう
僕の場合は、般若心経を暗唱できるよう覚えてから巡礼に向かいました。
一回覚えれば早々に忘れることも無いので覚えておいて損はないと思います。
参拝のルールを全然守れませんでしたが、自分に課した決め事として、ひと寺ひと寺ごとに必ず本堂前で合掌して般若心経を唱えることをしてました。
般若心経はYoutubeでも公開されていますので繰り返し聞いて覚えましょう。
CD付きの本を買っても良いかもしれませんね。般若心経にどんなことが書かれているか概要ぐらい覚えておいて損はないと思います。
般若心経
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時
照見五蘊皆空度一切苦厄
舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色
受想行識亦復如是利子是諸法空相
不生不滅不垢不浄不増不減是故空中
無色無受想行識無眼耳鼻舌身意
無色声香味触法無眼界乃至無意識界
無無明亦無無明尽乃至無老死亦無老死尽
無苦集滅道無智亦無得以無所得故菩提薩埵
依般若波羅蜜多故心無罣礙無罣礙故
無有恐怖遠離一切顛倒夢想究竟涅槃三世諸仏
依般若波羅蜜多故得阿耨多羅三藐三菩提故知
般若波羅蜜多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪
能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多
呪即説呪曰
羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶
般若心経
-画像 般若心経-
注意事項、参拝のマナー
御朱印集めはスタンプラリーのようですがスタンプラリーではありません。
お寺についたらすぐに朱印状に行くのではなく、はじめにお堂で手を合わせましょう。
(実際注意を受けました。。。)
注意を受けてからは必ず順番を守るようにしました。
作法はこちらを参考にしてください。
札所参拝手順ー四国お遍路八十八ヶ所
https://88shikokuhenro.jp/basic/visit/
どこまでやるかは人それぞれと思いますので、周り人たちを見ながら少しづつ礼儀作法を覚えていけばいいかなと思います。
まとめ
ツーリングでお遍路に行こうか迷ってるなら是非行ってみてください。きっとご利益があるはずです。
1回で行けなくても2回、3回と繰り替えし行けばいいと思います。お寺はどこにも行きませんし、そういう方もいっぱいいます。
四国は見どころいっぱい。観光地もいっぱいありますのでお遍路と組み合わせて観光するのも楽しいと思いますよ!
-画像 結願のお寺 88番 大窪寺-